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昔、タリーズコーヒーって上場してたような

 『上場廃止の真の目的が何であり、上場廃止が果たして妥当な戦略であったのかどうかを判断するには、今後の展開を待たなければならないだろう。』  まあ、そのとおりだろう。


 タリーズコーヒージャパンの決算公告 (リンクはいずれ切れます)をたまたま見かけた。スキームなりはちょっとややこしいわけだが、現在のタリーズコーヒージャパンは当期純利益が12億円のようだ。


 詳細な分析は置いておいてこういう分析もしてみたいものだが・・・ちょっと無理。


 ※連結じゃないとか、関係会社がどうとかは無視してます。

チャイナ・ボーチーがMBO発表の衝撃

 東証上場の中国系企業チャイナ・ボーチーがMBOを発表。なんと、上場廃止前提とのこと。ネット上では「逃げ切り 」との噂。ついにこんな事態になってしまったか!MBOはこのような使われ方をするわけでもある。とにかくMBOは経営者の都合が優先され、都合の悪い何かがあった場合も永遠に闇に葬られるわけだ。


 同社は昨年以降月刊FACTAから厳しい追及を受けており、今後が注目されていた。結論はMBOで終結のようです。このままでは日本市場、日本の投資家は・・・。


 その昔、粉飾決算をしていたシニアコミュニケーションという会社 が、その粉飾を隠すためにMBOを模索したが実現しなかったという事例があった。今回のチャイナ・ボーチーが粉飾をしているとは言わないが、これだけの疑惑を突きつけられている同社だけに・・・。


 なんと嘆かわしい日本の株式市場・・・。



 PS 上場時の主幹事 の大和証券(旧大和SMBC)が独立した第三者算定機関として株式価値算定書を作っているようです。主幹事ですから、最後まで面倒を見たのでしょうか。

MBOから1年のCCCを日経MJが1面

 たまたま本日見かけたMJにMBOして上場廃止したCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の特集を見た。MJはマーケティング記事が多いイメージですが、MBOについての分析が入ってるのは日経らしさ。

 MBOの分析部分についての見出しは「MBO成功 ハードルは高く 安定収入確保カギ」となっている。なるほど、CCCはMBOが成功したんだ、ふーんという感想。そういえば、どなたかからCCCのMBO分析をブログでやってほしいというリクエストがありながらやってませんでした。すみません。

 というわけで、CCCがMBOを成功したというのはとても興味深いわけです。先入観いっぱいの私の場合、うまいスキームがあったから成功したんじゃないか?とか思ってしまうわけですが、そんな邪念はさておきなるべく公平に読みたいところ。

 冒頭に『MBOに伴って負った借入金は約1000億円。』とあり、MBOの典型的な問題を孕んだことが指摘される。しかし、『「今期末には残高は600億円程度に減らす」(社長室)』ということで銀行との約束よりも前倒しの返済とか。ここで成長するためのMBOの課題を具にMJが指摘。『これまで投資に振り向けていた資金の一部を返済に充てる負担はある』そうです。成長するためのMBOが足枷となる事例ですね。

 MJも『MBOの成功のハードルは極めて高い。』としている。MJの記事を読む限り、一般投資家からは開放されたものの、もっとうるさい銀行団の強い監視の目に晒されている印象。


《CCCのMBO1年要約》

・MBOによる借入金約1000億円

・前倒しで借入金返済中

・カカクコム株を売却して資金捻出

・投資資金を返済資金に振り向け

・資本金を129億から1億円に減資できて上場時にはできない節税ができた

・配当負担なし

・銀行団が目障り(これまでは一般投資家が目障り)


 CCCにとってはメリットもデメリットもあるという印象があるものの、記事を記載しているのがMJという半ばマーケティング用の広告新聞であるということもあり、メリットが強調されがち。むしろ、MJとしては比較的公平に扱った記事と言えるだろう。まったく新しい考え方というものはないものの、MBOを真剣に考えるための過去の事例としては極めて良い記事と言える。MBOを考える上場経営者は参考とすべし。


 ただ、上場会社のMBOには反対です。

JALが再上場するらしいが、いいのだろうか?

 日本航空が東証に再上場するっていうことだが、本当に再上場していいのか・・・と根拠なく思ってしまう。ということでみんながどう思ってるか検索したり、記事を読んでみたりしてみた。


 事業再生コンサルティング

 「税金3500億円が7000億円になって帰って来る」のが功績。「旧株主が財産を奪われた事と銀行が債権放棄された事」が罪。


 JAL再上場に怒りの声/AERA '12.7.9

・史上最高の営業利益2千億円を計上した。ところが税金がかからない。

・「水増し会計」が宝に


 JAL問題の「出口」を作れ 日本経済新聞 大機小機 2012/7/18

・やってはいけない典型的なことを、政府はやってしまったのではないか。JALに対する過剰な救済だ。

・JALは異例なほど手厚い保護を受けた。

・株式再上場を政治判断で当面中止させる選択肢がある。

・法人税の行過ぎた減免の見直しも考えられるだろう。

 ※日経より抜粋


 自民党PT、再上場反対を決議、地方上場拡充も決議

自民党の国土交通部会航空問題プロジェクトチーム(PT)は2012年7月13日、経営再建中の日本航空(JAL)の再上場に反対することを決議した。


 JALの巨額法人税免除に憤懣やるかたないANA /FACTA 2012年7月号

・民主党政権と日航は、何としても今秋の再上場を成功させたい。

・「公的資金の注入を受けた会社には、新路線の開設を制限するなどの誓約があってもよいのではないか」


 このようなJAL再上場反対に動きにはANAが動いているという向きがあるわけだが、それは当然である。なぜなら不公正だから、ANAが自民党に訴えるのは当然である。以下はその記事。


国交省がANAにカンカン!JAL再上場で永田町に不穏な動き



 このように、探せばまだまだあるわけですが、これだけの反対の声もあるわけです。おそらくもう再上場をとめることはできないと思いますが、なんだか普通ではない上場という印象です。某議員 さんはJALがANAを買収するような本末転倒なことも起こるなんて言ったりもしてます。


 ちなみに某議員 さんは、「インサイダー取引」と言ってますが、そう本人も言うようにインサイダー取引ではなく、単なる縁故の短期利得行為ということです。ただ、これもルール上では問題はなく、通常のIPOでもよくあることです。いいことではありませんが1年ほど前に株主となった民間8社は上場時や上場直後に売却することはないと信じてます。売ったら当ブログで思いっきり批判します。

 なんだかんだ書きましたが、結論としては、JALの再上場に反対です。


FACTAがアグレッシブ

 月刊FACTAがまたもや話題のようです。SBIの記事もかなりすごかったわけですが、今回は三菱UFJだったり、上場前のモブキャストだったりするようです。


 オリンパス事件ではいち早く目をつけて、大新聞が当初オリンパス側を必死に擁護して結局FACTAの独り勝ちだっただけではなく、まるで何年も前からセラーテムの上場廃止を知ってたごとくの記事、某中国企業の記事ととてつもないスクープを連発しているだけにとても気になります。


 本日話題となっているモブキャストについては某著名ブログ、メルマガが先んじてましたが、今後の動きはとても気になります。IPOの場合、申込期間に入ると中止というのはかなり難しいのだろうなと思いつつ注視したいです。

野村HDの株主提案が話題

 週末から野村HDの招集通知がネット上を中心に話題 。残念ながら大手メディアの経済記者はだんまり。これから週刊誌を中心に株主提案した人物が誰かが話題になり、いずれ名前も判明してくるのだろうが、ただのふざけた人ではないようだ。半年前の300単位と言えば概ね1000万円。ある個人株主は1000万円前後以上投資したんだろうが、一部の提案内容がまともなことから、野村HDの経営についてまじめに憤慨しているとも考えられる。

 闇株新聞さんは大手銀行の傘下入りを予想し、SECに睨まれてるなんて報道もある中だけに、野村HDの先行きは全く見えないよう。

 そりゃあ、同じ招集通知に役員報酬8割増なんて記載されていれば、提案者じゃなくとも怒るとこでしょうか。

株式投信に個人回帰とか

 週末の夕刊に「株式投信に個人回帰」という記事があった。何かと思ったら大昔からの流れ、大昔から変わらない構図だった。日本株が底値を打つと日本株の新規設定の投信が相次ぐのは大昔からあった。それが今回も起こってるとのことだ。別に国内の個人投資家が毎月分配型から日本株投信を選ぶようになったわけでもない。

 もともと毎月分配型投信も投資家が自ら好んで買うというよりは、証券や銀行の営業マンが売りやすいから売れただけ。そのような中で日本株がちょっと上がったからまた販売側(運用側)が日本株投信を薦めだしたというだけの話。日本の証券業界、投信業界は未だに旧態依然。やれやれ。



Investment Nuggets

ジム・チェイノス特集

 日経ヴェリタスがジム・チェイノスの特集を組んだせいで、本ブログに「ジム・チェイノス」で検索した人が増えてます。とてもいい記事でした。


・人民元安に備えよ

・日本は円高とともに申告な悩みを抱える

・天然ガス価格の低位が続く限り、風力も太陽光発電も投資に値しない


空売りは金融市場の探偵役というジム・チェイノスだが、日本には興味がないよう。もし、日本にジム・チェイノスがいたら、オリンパス事件はなかったのだろうか。

ベンチャーリパブリックのMBO

 久々にエントリー。たまたま、TOBが終了したというベンチャーリパブリックでも。同社のTOBは要するにMBO。MBOの理由は「スマートフォンやSNSなどの市場の変化に合わせ、費用が先行するような大幅な投資を行うため」だそうです。そんなのみんながそうだろと言いたい。上場したのが2008年8月ということなので、上場したのは4年も経っていないわけだ。

 上場時の同社の印象は、比較サイトということでカカクコムや比較コムとダブるため業績が伸びそうもないというところ。それでも上場するのだから何かしら強みでもあるんじゃないかと思ったけど、結果的には「上場日の翌日以降、株価が公募価格を上回ることはなかった(日経ヴェリタス)」そうだ。

 しかしたったの3年ちょっとで自ら上場廃止を選ぶのか・・・。本当に二度と株式市場に戻ってこないでください。

株高がMBOを阻止する

 最近MBOのニュースが少ない気がする。それもそのはず。株高だから。株高はMBOを阻止するわけですから。株かが下がれば下がる程、経営陣はMBOしたくなるわけですし、MBOの準備をしていた人もMBOの提案をしていた証券会社やコンサルタントは困ってしまうはず。

 株高は良いことが多いと思っておりますが、MBOがとても嫌いな私は株高によりMBOが阻止できる事実がとても嬉しい。直近でMBOの準備をしていた輩が今頃、「株安になれ~」なんて思ってると思うと、それこそ株高は歓迎すべきだと思います。

 景気が良くなって株高になってほしいし、株高で景気が良くなって欲しい以上に、利己的な経営者に好き勝手をさせないためにも株高になってほしい。