MBOから1年のCCCを日経MJが1面
たまたま本日見かけたMJにMBOして上場廃止したCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の特集を見た。MJはマーケティング記事が多いイメージですが、MBOについての分析が入ってるのは日経らしさ。
MBOの分析部分についての見出しは「MBO成功 ハードルは高く 安定収入確保カギ」となっている。なるほど、CCCはMBOが成功したんだ、ふーんという感想。そういえば、どなたかからCCCのMBO分析をブログでやってほしいというリクエストがありながらやってませんでした。すみません。
というわけで、CCCがMBOを成功したというのはとても興味深いわけです。先入観いっぱいの私の場合、うまいスキームがあったから成功したんじゃないか?とか思ってしまうわけですが、そんな邪念はさておきなるべく公平に読みたいところ。
冒頭に『MBOに伴って負った借入金は約1000億円。』とあり、MBOの典型的な問題を孕んだことが指摘される。しかし、『「今期末には残高は600億円程度に減らす」(社長室)』ということで銀行との約束よりも前倒しの返済とか。ここで成長するためのMBOの課題を具にMJが指摘。『これまで投資に振り向けていた資金の一部を返済に充てる負担はある』そうです。成長するためのMBOが足枷となる事例ですね。
MJも『MBOの成功のハードルは極めて高い。』としている。MJの記事を読む限り、一般投資家からは開放されたものの、もっとうるさい銀行団の強い監視の目に晒されている印象。
《CCCのMBO1年要約》
・MBOによる借入金約1000億円
・前倒しで借入金返済中
・カカクコム株を売却して資金捻出
・投資資金を返済資金に振り向け
・資本金を129億から1億円に減資できて上場時にはできない節税ができた
・配当負担なし
・銀行団が目障り(これまでは一般投資家が目障り)
CCCにとってはメリットもデメリットもあるという印象があるものの、記事を記載しているのがMJという半ばマーケティング用の広告新聞であるということもあり、メリットが強調されがち。むしろ、MJとしては比較的公平に扱った記事と言えるだろう。まったく新しい考え方というものはないものの、MBOを真剣に考えるための過去の事例としては極めて良い記事と言える。MBOを考える上場経営者は参考とすべし。
ただ、上場会社のMBOには反対です。