Investment Nuggets -92ページ目

米金利

JPモルガンは今年予定されているFOMC8回すべてで利上げが
行われると予想しているそうです。合計2%の利上げになります。
こうなるとFFレートが4.25%に引き上げられることになりますが
来年度の消費者物価ベースで前年比2%のインフレ率であること
から実質レートでは2%程度になるそうです。FRBの方針では2%という
金利水準では中立的な政策にあたるため違和感はないとのことです。
(すなわち現在の実質金利は0%近辺)

ただし、米国の経常収支赤字の問題があるために構造的にはドル安
基調が続くため年初には100円割れもありうる。しかし、ドル資産の
割安感と実質金利差が表面化するにあたって年後半はドルは底打ち
するのではないかという予想のようです。

個人的にはドル円レートは50円か150円かと言えば50円であろうと
思いますが、100円割れ後は一度底打ちしそうだとも考えます。本当
にJPモルガンの資産通りの米インフレ率とFOMCの利上げがあるのであ
あれば予想は妥当でしょう。

今年は円ドルレートで95円近辺からはドル資産投資も考えたいと思います。

ちなみに、実質金利差とその相関性の観点から上記の考えに基づくと
豪ドルは対ドルでは売られやすい通貨になるそうです。高い金利に連れられ
て豪ドルだけには投資しないほうが良さそうです。金利差も縮小するのです
から。

ジャンク債市場が過熱気味らしい

ウォールストリートジャーナルによると、来年のジャンク債市場が危ういそうである。今年のジャンク債市場のリターンは10.5%だったそうです。債券価格上昇と利払いの合計です。the Bear Stearns High Yield indexは85年に始まって以来、利回りが6.9%ととなり過去最低らしいです。

来年は米利上げにより2%程度の利回り上昇が予想されるが、確実にジャンク債も価格にはマイナス要因。そして、ここ7年でジャンク債は米国債との感応度が最高に高まっているそうです。1998年当初でも31%程度しか占めていなかった格付けB3以下の債券が現在では37%まで組み入れられているだけでなくCa格という極めてデフォルトに近い債券も投資対象になってきているようです。

モーニングスターによる12月13日まで1カ月間の投信の純資産の増減のランキングをみると、ジャンク債に投資している投信が非常に純資産高を増加させています。日本の個人投資家が買い出すと相場が終わってしまうことが多いような気がしている私にとっては気になるところです。実際に、ロシア危機の頃には日本でもジャンク債投信がすごく流行っていたのを記憶してます。高値から4分の1まで下がった投信もありました。http://www.morningstar.co.jp/fund/m_news/index.htm

ランキング上がらない

ブログはじめてから1ヶ月くらいたったのかもしれない。でも、ランキングがイマイチだ。株で儲かりました、損しましたという結果報告のブログは相変わらず人気だ。そんなの俺もすぐにでもできる。ちょっと難し目の内容にすると読む人が少なくなるようだ。これは確実。以前、デイトレしてた頃のブログはもっと人気あたった。

すごいのはおカタメの内容なのに人気があるkentさんのブログだよな。http://kent0606.ameblo.jp/

リターン・リバーサル効果

日経新聞が新興市場2004年公開企業調査(ベストIPO調査)を実施し、九九プラスが1位になったそうです。順位の上位と初値からの騰落率は下記のとおり。

①九九プラス   102.3%
②日本ベリサイン 269.6%
③マクロミル   47.5%

これはアナリストによる調査なのですが、業態や高成長を理由に投票されたそうです。しかし、印象からするとよく上がったからではないでしょうか。

ちなみに、日経金融新聞『専門家55人アンケート-有望銘柄・新興市場企業ランキング』(2004/1/5)で堂々の1位だったワークスアプリケーションの今年の騰落率は▲40%でした。

結局これらの調査は結果論の印象がよかったもの、すなわち今年よく業績も良かったし株価もよく上がったものということで今後の成長となんら関係ないのではないかという雰囲気がします。

新興株式市場は金融工学的手法が通用しにくく、ファンダメンタル分析がより重要になるはずなのですが、アナリストはいつも陥るアノマリーに陥ってしまっているようです。

なんとなく、今日の日経のベストIPO企業は投資したくないところです。アノマリーを意識してリターン・リバーサル(逆張り)でいきたいところです。

新興市場の流動性

かねてよりマザーズなどの新興市場銘柄の株価は流動性となにか関連性があるのではないかと考えていたわけですが、流動性指標というのにオーソドックスなものはあまりないようです。

ただ、新井富雄「先物取引は現物価格変動の激化要因であったか」(1994)によるとMI係数なるものがあるようです。

個別銘柄の日中株価の変動制である日々の高値と安値の差を日中平均で除して日中株価変動性を出し、それを売買高で除したものです。このMI係数が低くなると流動性が高まり、高くなると流動性は低くなります。

これは流動性が倍場高が一単位増加した際に株価の変化が小さくなると定義付けているからです。

いくつかの新興市場銘柄のMI係数を比較してみました。GDHやダイキサウンドなどのIPO以降堅調かつデイトレ銘柄になっている銘柄は総じてMI係数は100以下で推移しております。ただ、新華ファイナンスやLTTバイオなどの株価が低迷している銘柄も50程度で推移しておりました。ケアサービスなど初値だけすごかった銘柄は今では400近くなり全く流動性を失っております。

MI係数からは株価を必ずしも決定できないのか・・・。参考まで。

今年のアジア諸国パフォーマンス(as of 12/7)

知らなかったのですが、バロンズ誌によると今年のアジア諸国の株式市場は軒並み上がったようです。下記は今月初め時点でのパフォーマンスです。

スリランカ  43%
インドネシア  42%
パキスタン  26%
フィリピン  24%
オーストラリア 19%
シンガポール  14%
香港  13%
日本  4.8%

なぜスリランカが上がっているかはよくわかりませんが、日本のリターンは見劣りします。今年の前半は日本市場が堅調だったはずですが、このような結果に。出遅れということで来年に期待できるという見方もできますかね。

モメンタム投資

最近のネット投資家はむしろ熱湯投資家という感じだ。
日本の株式市場ではリターンリバーサルが特徴的だという
のが一般手論だったはずですが、最近の新興市場やIPO銘柄
を見るとモメンタム投資が主流であると言わざるをえない
ようです。

今日も公募70万円のフィデックは183万円で寄り付き、213万円
S高で終わったようです。

そして、公募27.5万円のアエリアは初値65万円、高値101万円
本日の終値は76.5万円でした。

なんというか・・・。

毎月分配型投信の悲劇

毎月分配型投信や数ヶ月に一度分配金が出る投信の純資産残高はここ数年非常に伸びております。グローバル・ソブリン・オープンは3.6兆円にも膨れてるようです。

これは銀行の証券会社だけでなく窓販もかなり寄与していると思われます。今回はグローバル・ソブリン・オープンを例に考えてみます。

グローバル・ソブリンには3種類のファンドが存在するようで、分配金の方針によります。①毎月分配②3ヶ月決算③1年決算の3つです。

それぞれの純資産額は①3.4兆円(11月)②0.17兆円(9月)③19億円(2月)と、断然毎月分配型が多いわけです。グローバル・ソブリン=毎月分配型投信と言っても過言ではないかもしれません。

それぞれの設定来騰落率(分配金+基準価格)は①17.8%②16.83%③12.47%となります。しかし③1年決算は設定日が2002年みたいです。(2年の運用で①②の5年かかったパフォーマンス)そのため、それぞれのその間のベンチマークの騰落率を示しますと①33.38%②31.12%③13.49%です。

悲劇的なのは①毎月分配型と3ヶ月分配型のパフォーマンスがベンチマークに比較して異常に低いことです。ベンチマークの半分しか運用できてない!比較的良いのは1年決算です。

パフォーマンス悪いのは問題です。しかし、本当の悲劇は別にあります

1年型より毎月分配型の成績が悪いのは当たり前です。1年型は複利運用、他は分配してしまうのですから。今回はIRRの計算はやめるとして、一番運用結果が悪くなる毎月分配型ばかり販売しているのが問題です。なぜ問題かというと、これまでの純資産額の増加趨勢からしてもこの投信を買っている人は長期で保有していっていると考えられます。それであれば1年型のほうがいいに決まってます。

要するに、販売側の「毎月確実に分配金出ますよ。預金よりいいですよ」というセールストークと「毎月お小遣いが出ていいなあ」という投資家側の関係が起因しているのでしょう。販売側はこうしないと売れない。1年型の方が税金の面でも複利効果でも確実にいいのに毎月分配型を売っているのです。

おそらく、この投信を5年くらい持ってたら毎月分配型と1年決算型の差は倍以上になるのではないでしょうか。投信会社も預かりは増えるはずなのですが、目先を考えて売りやすい方を売っているだけです。本来ならば、長期的に考えたファイナンシャルプラニングから1年型を推奨すべきです。いくらFPの資格を取ってもこれでは無意味です。

あっ、ひょっとしたら基準価格が下がると思って毎月分配型にしてるのかな?(そうすれば損が少なくなる効果がるので)

結論的には毎月分配型はやめましょうということです。

みずほ証券は合成CDOで評価が高いらしい



著者: 大野 克人, 中里 大輔
タイトル: 金融技術革命未だ成らず

今日はちょっと本の紹介をします。左記の本です。数式は全然ない本ですので日本の金融機関の技術レベルを初心者でもわかるはずということです。ただ、内容はやはり金融工学の知識がないとよくわからない部分も多いです。

基本的に興銀時代の最新金融技術についての話ですが、日本の金融機関は世界的には遅れているというのが常識です。しかし、実際はそんなことないのではという問いかけです。実際のところはどうなのだろうと思っていたところ、金融ビジネスの11月号にみずほ証券の記事が載ってました。

みずほ証券はデフォルト・スワップに非常に強いということです。2004年のランキングもBNPパリバについで2位の評価だったようです。今後もABS市場は拡大すると言われており、日本市場ではみずほ証券が中心になることが予想されているようです。株式委託手数料収入が10%もないという構造は他の証券会社にはない最も欧米の投資銀行タイプの金融機関と言えるようです。

その根本は日本興業銀行時代から培われているのかもしれないと思えるのが、この本です。

ヘラクレスに米バイオベンチャー上場

先日の新華ファイナンスの海外企業のマザーズの上場を見た時、ヘラクレスもがんばれと思ったところだったのですが、ヘラクレスも海外企業上場の誘致に成功したようです。

新華ファイナンスの株価は全くさえませんが、バイオ関連はもっと冴えないのが気になります。表はバイオ銘柄の株価ですが、高値からの下落率は目を覆うばかりです。赤字企業も当然多いわけですが、大証も手放しで誘致を喜べる展開は難しいのではないかと思えます。

米NASDAQもバイオ企業の株価は冴えない。だから日本で上場しようとしたのではないだろうか。

バイオ銘柄をもう少し数理的に分析してみるのもおもしろいかなと思いつつ、外国企業の上場に疑問を持ってます。