シーマ大株主の脱税事件 | Investment Nuggets

シーマ大株主の脱税事件

 ジャスダック上場の宝石会社「シーマ」の大株主の「さくら画廊」社長白石幸生容疑者が逮捕されたらしい。さくら画廊、白石容疑者は2003年、大株主だったシーマ株などを従業員名義で取引したが、絵画の架空売却損を計上するなどの方法で所得を隠し、申告していなかったらしい


 同社が、株式の101分割で有名なのは言うまでもなく、それに絡む開示の問題で管理ポストのままになっている。本業の方では、ガイアの夜明けで 良いイメージで取材されたこともあるが、業界では批判的な意見も多いようだ。ともあれ、シーマは、なんとか管理ポストから脱出すべく、今でも準備していることであろうが、今回の事件はさらに管理ポスト脱出作戦が困難になったことを意味するかもしれない。なにしろ、現在のシーマの会長である白石幸栄氏は、逮捕された白石幸生氏と親族である。要するに同族会社。そして、白石幸栄氏は、平成9年(当時は代表取締役)から平成16年8月までさくら画廊の取締役であった。脱税が行われた時期の取締役である。にもかかわらず、シーマは今回の事件に「さくら画廊独自の問題であり、関係ない 」と主張しております。あらら。


 これまで同社は、管理ポスト脱出に向けて、体制 を入れ替える意味で白石会長から代表権をはずして、元KOBE証券代表等を務めた恩田饒氏を代表とするなどしている。その矢先での今回の事件である。シーマの大株主は、さくら画廊と白石一族で2/3以上を占めており、同社がさくら画廊と同一視されても仕方がない状況である。さらに、同社株は高値からは大幅に下がったものの、今でも101分割に伴う仕手株化した余韻のせいか、割高であると言える。どこも買収したくないというところだろうか(MSCBの対象としてはいいのだろうが)。なんとも・・・。


 シーマ株は当分上昇も管理ポスト脱出も望めないであろう。