がんばれ、イチゴアセットマネジメント | Investment Nuggets

がんばれ、イチゴアセットマネジメント

 いちごアセットマネジメントは、東京鋼鉄 が大阪製鐵の完全子会社になることに反対する株主から10%超の委任状を集めたと発表したらしい。 ということは、あと10%ちょっとで否決されますね。是非ともスコット・キャロン氏にはがんばって頂きたい。そもそも日本のM&Aの交換比率は大株主に有利に決まりすぎている。東京鋼鉄と大阪製鉄の場合は、東京鋼鉄1株に対して大阪製鉄0.228株。プレミアムは直前株価比較で6%あったが、過去1ヶ月ではわずか0.3%、1年では7%のディスカウントだったらしい。


 今回、仮に否決されることとなれば、責任が問われるのは東京鋼鉄と大阪製鉄だけではないだろう。株式交換比率の算定にあたっては、日興コーディアル証券と三菱UFJ証券が第三者機関として交換比率を算定 し、それを参考に決定されている。あっ、また日興コーディアル登場・・・。要するに、よくあることですが、先に交換比率を決定しておいて、それに近い数字を作ったということです。しかも、両方の証券会社ともDCF方式による分析とのこと。あー、DCFですか・・・。


 子会社化されるとすれば、普通はプレミアムで喜ぶはず。しかし、そうでもない場合もある。通常、そういう場合は個人株主はどうすることもできない。しかし、今回はいちごアセットのキャロン氏は、ヤフー掲示板の個人投資家の怒りの声を見て今回に至ったらしい。今回のいちごアセットの行動は、上場企業の株主軽視の姿勢の警鐘となろう。