IPOプレミアムの是正は貸借銘柄選定で | Investment Nuggets

IPOプレミアムの是正は貸借銘柄選定で

 新規公開銘柄(IPO銘柄)にはIPOプレミアムなる高い株価が付くことが多い。これは、未上場株式が新規に上場することによって、一時的に理論株価よりも高い株価で売買されることを言う。今の相場でいうと、概ね数ヶ月はIPOプレミアムが継続する。


巨大投資銀行(バルジブラケット)(上)

 逆にいうと、新規上場した後の半年後くらいには、そのプレミアムは剥げ落ち、通常のバリュエーションもしくは、IPO時に比べて大きく値を下げることになる。これは、統計的にも有意であろう。逆に、これはIPO時の株価は適正な株価でないことになる。


 週末に、ベストセラーの「巨大投資銀行 」の最初の部分だけを読んだ。アービトラージ(55ページくらい)にの部分に、国債が直近銘柄が高く、そうでなくなると安くなるという部分での裁定取引が有効である旨の行があった。まさにこれと同じだろう。ただ、新興市場にIPOプレミアムがあるとしても、裁定取引はできない。なぜんらら空売り(信用売り)ができないからである。


 今、過熱しているIPOを効率的市場化するには、IPO銘柄の即日貸借銘柄選定が必要ではないかと考える。ただ、現状では取引所のシステムがついていかず、貸借銘柄どころか、制度信用銘柄にも選定されていない。現状では、相場が激しく低迷しない限り、IPOプレミアムは是正される見込みはない。